母方の祖父が亡くなった時
私は大学生だった
音大の寮にいた私は
虫の知らせのように
その異変に気がついた
二段ベッドの上
壁にあるライト
紐を引っ張ると紫の点灯管が光る
何故か その紫が
壁ではなく 空中に浮いている
何だろう?
ライトがつかない
何度 紐をひいても
ライトはつかない
部屋の中は静まりかえって
同室のみんなの寝息すら聞こえない
でも何故か気持ちは落ち着いてた
私は はしごを下りて
部屋のドアを開けた
すると 何かが出て行くような気配とともに
ライトがついた
その翌日
祖父が亡くなったと連絡をもらった
あれは
おじいちゃんだったんだね
命日になると 思い出す