3/28/2018

大森昭男さん

私をこの音楽業界の中で育ててくださった大切な方
大森昭男さんの訃報を聞いて、最後にお会いした時のことや
お世話になったいろいろなことが一気に溢れてきて
当時のマネージャーと電話口で泣きながら思い出を語り合いました。

私をニッカウイスキーのCM音楽にと勧めてくださり、
本来ならば男性の声で歌われることがおおよそ決まってる中、
私のデモも聴いていただき、
「夢で逢いましょう」を歌わせて頂くことになったのでした。

ジャズのライブハウスなどで活動してきた私は
スタンダードナンバーをアレンジして弾き語ることがほとんどで
正直、日本の歌を歌う自信がありませんでした。

帰国子女でもない私が
英語で曲を書いたり歌ったりすることも未知の世界でしたが
日本人の私が日本語で歌うこともまた同じくらい難しかったのです。
ピアニスト志望だった私には歌を歌うという行為は本当に怖かった。

だけど、そんな私にチャンスをくださり
いろんな可能性を引き出してくださいました。
コピーライターの一倉宏さんと繋いでくださったのも大森さんでした。
AQUOSや積水ハウスのCMもTBSラジオ「スローリビング」も
一倉さんが繋いでくださって今があります。

大森さんがいなければ今の私は存在しなかったと思います。
夢で逢いましょうおんがえし
大森さんに支えられて作ったアルバムでした

もう本当に夢でしかお会いできなくなってしまったけれど
ちゃんと恩返しできるような音楽人生を歩まねばと
気持ちの引き締まる春の嵐のような訃報でした。
心よりご冥福をお祈りします。