10/31/2011

高山流水

まだ私が小学生だった頃
父の口癖は
将来は家族で世界へ行って
コンサートをするぞ
だった

だれもが冗談だと思っていたけれど
それは実現した

あれから時が経ち、
田舎町にアマチュアの交響楽団ができた
4歳の子から80歳のおばあちゃんまで

決してうまいとは言えない演奏だけれど
ベートーベンの「運命」にも挑戦していた

そんな楽団のメンバーだから
いれかわり たちかわり
紆余曲折はあったけれど

いつしか
お隣の国 韓国 中国へと
交流演奏に出かけるようになった

「何のため?」

夢を叶え
有言実行して行く父の姿を見ながら
子供の頃に思った疑問は
時と共に
私が音楽をやる理由に変わっていった

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
昨晩、私は
文化交流団として来日された
中国の著名な書家の方に出会い
目の前で
墨痕鮮やかに
「高山流水」と書いて頂いた

その意味を通訳して頂いたら
優れた絶妙な音楽の演奏
自分を理解してくれる真の友人
と説明してくださった

父から受け継いだ流れ
私は私らしく繋いで行こうと
静かな決意をした