未来を話すのに
屋上はとてもいい
東京で
こんなに空を見渡せる場所は
なかなかない
私はパンとワインを持参
家主は
七輪で鶏を焼き
椎茸を焼き
サバを焼いてくれた
人に作ってもらったおにぎりは
どうして美味しいのだろう・・
心地よい風が私を吹き抜け
雲を運び
しっぽをたなびかせる
半月がちょうど龍の目になると
そこからだんだん赤く染まって
そして沈んで行った
不吉にも見えるその龍は
とても美しかった
見とれて
屋上で気持ちよく沈む前に
我に返り 駅まで走る
終電には間に合ったけど
ちょっと
浦島太郎の気分